なぜ人は「失敗してはいけない」と思うと「失敗する」のか?
「ミスをしてはいけない」と思うと、プレッシャーで「ミス」をしてしまう。
これはあなただけの問題ではありません、人間誰しもあてはまる「脳の働き」のせいなのです。
人間の脳の機能には「意識」と「無意識」の領域があります。
今、あなたの「意識」は、この文章を読んでいます。
外の世界から情報を取り入れ、それを認知しています。
今、見えているもの、聞こえているもの、感じているもの、そして考えていること、行動にうつす、それが「意識」です。
「意識」は、一つのタスク処理に専念します。
一方、「無意識」は、記憶の保存、行動や認知の行動パターン、生命の保存と維持等…あなたが生きて行くうえで必要なことすべてを、「意識」の裏側で、同時にいくつものことを処理しているのです。
「無意識」というものは、脳の領域の多くのネットワークを使って私たちをサポートしているにもかかわらず、不思議なことに否定語をあまりうまく処理できません。
「ミスをしない」というインプットに対して、「無意識」は真っ先に「ミス」をすることをイメージし、そのとおり脳を機能させてしまうのです。
ピンクのゾウを想像しないでください。
と、いう言葉にあなたは「ピンクのゾウ」を想像したはずです。
「ピンクのゾウ」を想像することなく、「ピンクのゾウ」を想像しないことはできないのです。
だから、「ミスをしない」というコマンドを入力をしないで、「もし上手くできたらどうなるか?」ということをイメージすることをお勧めします。
イメージの力と意志の力が闘うと必ずイメージが勝つと言われています。
これは、フランスの心理学者エミールクーエの法則です。
あなたがどれだけ「ミスのないように」と意志が闘っても、無意識の領域では「ミスをすること」をイメージしているので、必然的にミスを起してしまうのです。
だから、「この仕事が上手くいったらどうなるか?」というふうに考えることが必要なのです。
はしゃいでいる子どもに「そんなにはしゃいでいると転んでケガするわよ!」と注意すると、次の瞬間みごとに転んでしまう…まるで、親の一言が子どもに魔法をかけてしまたように。
まさに、脳のなかではそのようなことが起こってるのです。
だから、「成功したらどうなるか?」というイメージを持つことが必要なのです。
長い間繰り返し行ってきた思考パターンなので、なかなか切り替えることは難しいかもしれませんが、簡単なことから「成功」するイメージを積み上げていくことが重要なのです。